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【 法人経営サポート 】

  • 会社の設立を考えている
  • 会社を設立したが税金についてよく解らない
  • 融資の相談に乗って欲しい
  • 経理の丸投げを依頼したい
  • 給与計算の相談に乗って欲しい
  • 税理士の変更を検討している
  • 税務調査の立会いを依頼したい

上記のような場合は、お気軽に御連絡ください。当事務所では以下の業種に対応しております。

農業、建設業、卸売業、小売業、金融・保険業、飲食業、宿泊業、医療・福祉業、教育業、情報通信業、運輸業、その他サービス業、社会福祉法人など

以下で法人を設立する手続をご説明致します。

1. 法人の種類

法人の種類は、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社の概ね4種類があります。これらの会社の大きな相違点は、株式会社と合同会社は、出資者の責任が有限責任であるのに対し、合名会社、合資会社(のうち一定の人)は無限責任であることです。もし会社が多額の負債を抱えて倒産してしまうような場合、株式会社等の出資者は、出資金を放棄すればそれ以上の支払義務はありませんが(連帯保証をしている場合を除く)、合名や合資については、会社の負債全部に対して支払義務が生じてしまいます。そして一度合名や合資で設立してしまうと、株式会社に組織変更することが困難となります。ですので新規に開業する場合は、株式会社とするのが一般的です。

また、営む業務内容や設立目的によっては、NPO法人や、協同組合等の形式も考えられますが、ここでは、一般的な株式会社での開業に焦点をあてご説明していきます。

※会社法の改正により平成18年5月1日より有限会社が新規に設立できなくなりましたが、改正前に設立された有限会社については、それまで通り運営が可能となります。

2. 法人に掛かる税金

「法人にすると税金が安くなる」と一般的に言われます。それは個人事業では自分自身に給料が払えないのに対して、法人では役員報酬として給料が取れるからです。給料を支払う前の所得が500万の事業を例に挙げて、考えてみましょう。

▼個人事業の場合
税額
所得 500万円 500万円に対して課税 約113万円
合計 約113万円
▼法人の場合
社長に給料を500万支払ったとすると… 税額
会社分
500万円 - 500万円(給料)= 0
所得がゼロなので法人税はかからない 約7万円
(赤字でも支払う住民税の金額)
社長個人分
500万円の給料収入
500万円 - 154万円(給与所得控除額) = 346万円 約60万円
合計 約67万円

となり納税額で年間約50万円得になります。(※便宜上、所得控除等は考慮していません。)事業所得としての500万円と、給与として500万円貰うのでは、給与所得控除額の分だけ税額計算に差異が生じ、この分だけ所得税が安くなるので、これが、法人にすると税金が安くなると言われている主な理由です。通常、個人事業主の所得が赤字ということは考えられませんが(その人が生活している以上生活費がかかるため)、このように法人では赤字(所得ゼロ)ということもあり得ます。ただし、法人では赤字でも必ず支払わなければならない税金もありますので、以下で個々の概要をご説明いたします。

(1)法人税

原則として、決算日から2ヶ月以内に確定申告書を税務署に提出します。赤字で支払う税額が無い場合でも提出しなければなりません。

(2)法人住民税・事業税

法人税と同様に、決算日から2ヶ月以内に申告書を、都道府県と市町村役場(23区の場合は都税事務所)にそれぞれ提出します。都道府県に提出する申告書では、法人事業税と県民税等の計算を、市役所に提出する申告書で法人市民税の計算をします。県民税と市民税は、法人税割と均等割という2種類に分かれていて、法人税割は、法人税と同様に所得(法人税の税額)に対して課税されますが、均等割は資本金の額や従業員の人数に応じて課税されます。つまり均等割は赤字でも支払う必要があります。

(3)消費税

資本金の額が一定以上の場合や売上高が一定以上の場合は消費税の課税事業者となります。

3. 法人の設立

法人の設立は、通常、司法書士が行いますが、ご自身で設立する事も可能です。設立費用は実費で20万円~発生します。

4. 設立後に必要な手続

さて、無事に会社が設立して一安心ですが、税務署に書類を提出するのを忘れずに行ってください。特に青色申告の承認申請を提出し忘れると、損失の繰越控除ができないなど、デメリットが大きいですので、必ず提出するようにしてください。

▼法人設立後に必要な届出
届出書の名称等 提出先 重要度 解説
法人設立届出書 税務署・都道府県税事務所・市区町村 設立の日から2月以内に提出します。
給与支払事務所等の開設届出書 税務署 開設、移転の事実があった日から1か月以内に提出してください。
源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書 税務署 給料から天引きした源泉所得税は翌月10日までの納付が原則ですが、給与の支払人員が9人以下の場合は、この届出書を提出すれば、7月10日と1月20日の年2回まとめて納付することが可能になります。
青色申告の承認申請書 税務署 設立の日以後3月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日
たな卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書 税務署 たな卸資産の評価方法について最終仕入原価法以外を選択する場合や定率法以外の償却方法を選択する場合に提出します。
消費税に関する諸届出 税務署 必要に応じて提出してください。
▼以下は社会保険等になります。必要に応じて該当する場合には手続きを行ってください。
労災保険の加入手続き 労働基準監督署 従業員を雇ったら加入する。
雇用保険の加入手続き ハローワーク 正社員や一定条件を満たすパート・アルバイトを雇った場合に加入する。
健康保険・厚生年金の加入手続き 社会保険事務所 原則として強制加入

なぜ、青色申告の承認申請が重要かというと、青色申告の特典の一つに欠損金の繰越控除が受けられることがあります。これは、今期に生じた赤字の金額を翌期以後7年間繰越せるというものです。仮に今期が300万円の赤字で、翌期が200万円の黒字だった場合、青色申告ですと、△300万円 + 200万円 = △100万円となり、税額が発生しませんが、白色ですと、赤字の300万円はその期で切り捨てとなり、翌期の200万円に対して課税されることとなるからです。

通常、設立事業年度は出費がかさむので、赤字になることが多いですから、設立事業年度でこそ、この届出を忘れずに提出するようにしてください。

コラム

法人での起業を考えるとき、皆さんはまず誰に相談するでしょうか?ご家族や友人は置いておいて、会社の設立の専門家である司法書士さんの所に行く方が結構いらっしゃることと思います。当然つつがなく会社は設立しますが、設立後の手続きを忘れている方や、1月に3月決算の法人を設立してしまうようなケースが見受けられます。

上記のとおり、税務署に対する届出には、期限を過ぎてしまったら「あとの祭」のものが多数あります。また、当初の事業計画によっては税金の還付を受けられる場合もありますので、ぜひとも計画の段階で、まず税理士事務所にご相談に行ってみてください。

通常税理士事務所では、提携している司法書士事務所がある事が多いですので、飛び込みで司法書士事務所にお願いするよりもスムーズに事が運ぶと思います。当事務所でも、提携司法書士と共同で設立業務を行っております。お気軽にご連絡下さい。

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